2016年2月26日金曜日

薬剤師研修委員会 漢方学習会



 225日に、山梨民医連薬剤師部会の薬剤師研修委員会漢方学習会を開催しました。講師には、甲府共立病院産婦人科医の鶴田統子先生が来てくださいました。

鶴田先生、よろしくお願いします!

 鶴田先生は、大学在学中より東洋医学に興味があり、今も東洋医学会専門医取得のため勉強されているということで、漢方にまつわる広くて深い知識の一端を、今回講義していただきました。

 「漢方」と一言で言っても、本当に多様な治療法や概念が存在していて、その長い歴史の中で積み上げられてきた経験則や理論体系などを加味しながら、東洋医学の専門医は五感を研ぎ澄まして診察し、処方しているということでした。ただ、一般的には聞きかじりの漢方処方も多いので薬剤師は処方内容を十分に注意してみていかなければならないということがわかりました
漢方は奥深い世界です

 生薬の原料が不足・高騰しているといった厳しい情勢の中でも、総合診療の視点からはニーズが高まっているので、今後も処方を増やしていきたいということで私たち薬剤師にとっても漢方を深めるよい機会となるのでとてもありがたい提起だと思いました。

 医師が漢方を処方する時の考え方なども具体的に教えていただき、疑義照会をする上で参考になりました。処方医が違うことで種類以上の漢方薬が出ている場合もあるので、薬剤師が注意して患者さんの話をよく聞くことが大切だと思いました。

先生、処方パターンで気になるものが…

 最後に、フロアからの実践的な質問の数々にも丁寧に答えていただき、とても勉強になりました。今後も医師としっかり連携をとりながら、またこのような学習会を企画していきたいと思います。鶴田先生、これからもよろしくお願いします。

2016年2月24日水曜日

第27回学術運動交流集会 薬局より5演題発表



 220日に「第27回学術運動交流集会」がアピオ甲府で開催されました。病院をはじめ診療所やケアセンター、歯科診療所などから87演題がエントリーする中、薬局部門からは以下の多彩な5演題を発表しました。

全体会の様子

【あすなろ甲府薬局】
「あすなろ甲府薬局における無料低額診療5年間のまとめ」(事務)
 20108月より約5年間で受け付けた無低診対象者の処方せんから、対象者の基本情報や保険情報、調剤状況、支払状況などを分析した結果をまとめ、無低診の意義と課題を提起しました。

第1分散会会場
 「C型肝炎新薬(ダクルインザ・スンベプラ)の使用結果について」(薬剤師)
 C型ウイルス性肝炎の治療薬「ダクルインザ」「スンベプラ」の2剤併用療法が保険適用となったことについて、実際に24週間投与した患者さん13名の使用結果についてまとめ、報告しました。

第3分散会会場


【甲府共立病院院内薬局】
「利益相反について、医療従事者とメーカーとの付き合い方を考える」(薬剤師)
 製薬会社の広告宣伝のために提供されている物品や弁当などについて、甲府共立病院とあすなろ薬局の全職員を対象に行ったアンケート結果を分析し、発表しました。

第7分散会会場


【あすなろ巨摩薬局】
「残薬アンケートを通して服薬支援を考える」(薬剤師)
 大量の残薬が問題となっている今日、薬局窓口における残薬の確認や処方日数の調整など服薬指導時に配慮すべきことを検討するため、患者さんの協力を得てアンケートを行った結果を発表しました。

第8分散会会場

【あすなろ武川薬局】
「労災患者不支給の事例について」(事務)
 労働監督署からの労災認定が長期間調整中とされ、1年後に不支給となった患者さんについての報告でした。薬局窓口でも患者さんの情報をしっかり聞き取り、慎重に対応することで、無用な待機を避けられるということでした

同じく第8分散会

 どの演題にも多くの職員の方に聴講に来ていただきました。
 皆さまありがとうございました。

 その他、医療・介護現場の実践について様々な事例や問題提起もあり、とても刺激を受けました。仲間の日々の奮闘や工夫を感じながら、「薬局部門も負けてはいられないぞ」と思った一日でした。



2016年2月17日水曜日

YMP医療安全学習会 「KYT(薬局編)」



 2月16日夜、今年度2回目の医療安全学習会を開催しました。4薬局から薬剤師と事務職員23名が出席しました。

講師の市村看護師長です

昨年と同様にKYT(危険予知訓練)をテーマに取り組み、講師には甲府共立病院医療安全管理室の市村琴美看護師長に来ていただきました。
KYTの基本的な知識を学んだあと、実際にあった薬局のインシデント報告をもとに、どのような危険がひそんでいるか、ミスを防ぐためにどのような対策ができるかについて、グループごとに分かれて検討しました。

 
問題の本質は何か…

協力してミスを防ぐには

現象を把握したうえで、事務職員からは、忙しく一人が大変な時は抱え込まずにヘルプを要請するなどの対策が出されました。また、薬剤師からは、患者さんが早く帰りたがっていても必ず薬を1つずつ見せながら確認を行うこと、忙しいときほど声かけを怠らず、冷静になるよう努めることなどが出されました。
 
他のグループの発表から様々な視点を学びました
 
講師からは、薬局の対応だけでは限界がある事例もあるので、処方せんを発行した医療機関へも協力を要請するなどの方法も検討できると助言がありました。

 今後も安心安全な薬剤活動を続けていけるよう、KYTを実践していきたいと思います。市村看護師長、有意義な学習会をありがとうございました。

2016年2月9日火曜日

研修医発表会に薬剤師が参加



 26日に山梨民医連の第30回研修医発表会が開催されました。

毎年この時期に行われる研修医発表会ですが、今年は漢方専門薬局「博濟」代表の福島毅先生と埼玉県のふれあい薬局代表の池田里江子先生を講師にお招きしました。

福島先生の講演の様子

漢方処方は奥深いです


通常は医師と事務幹部で埋め尽くされる会場ですが、今年は薬剤師も10名ほどが参加して、埼玉県薬剤師会で活躍されているお二人のお話を伺いました。福島先生からは漢方処方の奥深さを学び、池田先生からは在宅医療での薬剤師の役割や現場での実践について知ることができました。

他県の先進的な取組みを参考にして、医師や多職種との連携の中で、しっかりと役割を発揮していけるよう取り組んでいきたいと思いました。

浅川社長より講師へのお礼

後半はメインの研修医発表会が行われ、1年目研修医3名が実際に担当した症例の報告、2年目研修医3名が統計を使用した報告、ということで、どの報告も非常によく練られた内容でレベルの高さを伺わせました。フロアからの質問にも堂々とした態度で、的確に答えていたことが素晴らしかったです。

医師に求められている薬剤師像と山梨民医連研修医の成長を間近に感じた発表会でした。