全体会では指定演題の発表 |
2月4日にアピオ甲府で開催された第28回山梨民医連学術運動交流集会には、薬局部門から4演題を発表しました。簡単にふり返ります。
【口演】
従来のPPIを用いたH.ピロリの一次除菌と
タケキャブを使用した場合の成功率の比較
タケキャブを使用した場合の成功率の比較
川手めぐみ薬剤師(あすなろ巨摩薬局)
H.ピロリ菌の一次除菌について、従来のPPIを使用した場合と新しく承認されたタケキャブを使用した場合の成功率を比較してまとめました。1年間のあすなろ巨摩薬局の利用者の事例をもとに成功率をはじき出した結果、服用時の喫煙飲酒による阻害要因はあるものの、タケキャブを使用した場合の除菌成功率が高いことがわかりました。
【ポスター】
SGLT阻害薬スーグラ使用患者に対する聞き取り調査
SGLT阻害薬スーグラ使用患者に対する聞き取り調査
小田川祐薬剤師(あすなろ石和薬局)
人がたくさん! |
2型糖尿病治療薬であるスーグラ錠が勧告に基づき適正使用されているか否かについて、あすなろ石和薬局を利用している患者を対象に聞き取り調査を行いました。どの患者にも血糖値の改善は見られたものの、治療に対する意識や効果の実感には個人差があるため、勧告に従いつつも、患者一人ひとりに合わせた対応が必要であることをまとめていました。
【ポスター】
メトホルミン錠により劇症肝炎を引き起こし、
医薬品副作用救済制度につなげた症例
メトホルミン錠により劇症肝炎を引き起こし、
医薬品副作用救済制度につなげた症例
渡会佳夢(甲府共立病院)
質問もいくつかありました |
薬物治療による副作用の課題について、甲府共立病院の入院患者の事例をもとに考察しました。通常、服用開始から短期間での発症例が多い薬剤性アレルギーが、長期間服用の場合にも起こりうることを示唆したまれなケースであり、薬剤師が副作用の実態と医薬品副作用被害救済制度の有用性について精通する必要があることを課題に挙げていました。
【ポスター】
ハーボニー配合錠 使用状況のまとめ
ハーボニー配合錠 使用状況のまとめ
山本祥子薬剤師(あすなろ甲府薬局)
今話題のハーボニー |
C型肝炎治療薬であるハーボニー配合錠の費用対効果について、処方元の甲府共立病院院内薬局の協力を得て検証しました。投与終了後24週が経過した21事例のうち効果のあった患者は18例で、製薬メーカーの検証数値よりも低いことがわかりました。既存の治療薬よりも有用性は高いため、丁寧な説明を心がけるなど薬剤師としてできることをまとめていました。
他職種の演題発表でも様々な症例や事例が扱われていてとても興味深く、また、それぞれの事業所での取り組みが連携の参考にもなり刺激を受けました。
ポスター会場はこんな感じ |
演題を発表した皆様、そして聴講に来てくださった皆様へ、日頃の医療・介護・福祉活動への敬意と感謝を込めて。本当にお疲れさまでした。
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