2017年2月24日金曜日

医療安全学習会 流行性疾患を予防しよう




 ワイエムピーでは、222日に今年度2回目となる医療安全学習会を行いました。薬剤師と事務職員合わせて28名が参加しました。

先生、よろしくお願いします!

 今回のテーマは「流行性疾患予防策の理解と対応」ということで、甲府共立病院医療安全管理室の小林智子看護師を講師にお招きしました。小林看護師は感染管理認定の資格をお持ちです。

 この冬は例年になく感染性腸炎やインフルエンザが猛威をふるいました。学習会は、流行性疾患の標準予防策について今一度理解し、対策を考える目的で行われました。

 講義では、薬剤耐性菌に対する警戒と世界規模で対策がとられている情勢、耐性菌対策のために薬剤師が制御介入等の重要な役割を果たせることを学びました。

患者さんにどう声をかけますか?

マスクは鼻とあごをしっかり覆って…
 実践では、マスクの正しいつけ方をおさらいし、3事例についてグループで感染予防対策を話し合いました。同じグループの薬剤師は、事例を見た段階から対策がすらすらと出てきていました…さすがです(・ω・*

必要な道具はなんでしょう?

お互いに触れないように

 最後は、職員2人が代表して、嘔吐物(もちろん偽物です)の処理手順を実践しました。頭では分かっているつもりでも、実践してみると意外と難しいものです。
 
感染予防は自分だけでなく、周りの人を守るためにも重要なことです。医療者であればこそ、明日から確実に実践していこうと心に誓った学習会でした。

2017年2月7日火曜日

山梨民医連学運交 薬局部門から4演題発表



全体会では指定演題の発表

2月4日にアピオ甲府で開催された第28回山梨民医連学術運動交流集会には、薬局部門から4演題を発表しました。簡単にふり返ります。


【口演】
 従来のPPIを用いたH.ピロリの一次除菌と
 タケキャブを使用した場合の成功率の比較
川手めぐみ薬剤師(あすなろ巨摩薬局)
 
グラフがわかりやすかったです

H.ピロリ菌の一次除菌について、従来のPPIを使用した場合と新しく承認されたタケキャブを使用した場合の成功率を比較してまとめました。1年間のあすなろ巨摩薬局の利用者の事例をもとに成功率をはじき出した結果、服用時の喫煙飲酒による阻害要因はあるものの、タケキャブを使用した場合の除菌成功率が高いことがわかりました。


【ポスター】
 SGLT阻害薬スーグラ使用患者に対する聞き取り調査
小田川祐薬剤師(あすなろ石和薬局)

人がたくさん!

2型糖尿病治療薬であるスーグラ錠が勧告に基づき適正使用されているか否かについて、あすなろ石和薬局を利用している患者を対象に聞き取り調査を行いました。どの患者にも血糖値の改善は見られたものの、治療に対する意識や効果の実感には個人差があるため、勧告に従いつつも、患者一人ひとりに合わせた対応が必要であることをまとめていました。


【ポスター】
 メトホルミン錠により劇症肝炎を引き起こし、
 医薬品副作用救済制度につなげた症例
渡会佳夢(甲府共立病院)

質問もいくつかありました

 薬物治療による副作用の課題について、甲府共立病院の入院患者の事例をもとに考察しました。通常、服用開始から短期間での発症例が多い薬剤性アレルギーが、長期間服用の場合にも起こりうることを示唆したまれなケースであり、薬剤師が副作用の実態と医薬品副作用被害救済制度の有用性について精通する必要があることを課題に挙げていました。


【ポスター】
 ハーボニー配合錠 使用状況のまとめ
山本祥子薬剤師(あすなろ甲府薬局)

今話題のハーボニー

C型肝炎治療薬であるハーボニー配合錠の費用対効果について、処方元の甲府共立病院院内薬局の協力を得て検証しました。投与終了後24週が経過した21事例のうち効果のあった患者は18例で、製薬メーカーの検証数値よりも低いことがわかりました。既存の治療薬よりも有用性は高いため、丁寧な説明を心がけるなど薬剤師としてできることをまとめていました。


他職種の演題発表でも様々な症例や事例が扱われていてとても興味深く、また、それぞれの事業所での取り組みが連携の参考にもなり刺激を受けました。

ポスター会場はこんな感じ

演題を発表した皆様、そして聴講に来てくださった皆様へ、日頃の医療・介護・福祉活動への敬意と感謝を込めて。本当にお疲れさまでした。