11月24日に、平和と労働センター(東京・文京区)で行われた第22回国民の医薬シンポジウムに参加してきました。医療関係者など約100人が参加し、「医薬品の安全性確保とTPP」と題した講演、そして『子宮頸がん予防』ワクチンの必要性・安全性・有効性に対する疑義についてジャーナリストや産科医からの報告がありました。
水口弁護士のお話とても分かりやすかったです! |
ウィキリークス資料の情報は驚くべきものでした |
TPP問題に関する午前の部では、薬害オンブズパースン会議事務局長の水口真寿美弁護士と、東京大学の醍醐聰名誉教授より講演がありました。TPP交渉の最大の問題として、輸入品の関税撤廃もさることながら、ISD条項(つまり企業が利益を侵害されたことを口実に国を訴えることができる条項)によって非関税障壁に対する攻撃を懸念して、国の政策に萎縮効果が生まれることに言及しました。
その中で医療に関して言うと、国民皆保険制度の空洞化や利益優先の病院経営の蔓延、新薬の安全性が十分担保されないことによる薬害の発生などが考えられるということでした。また、醍醐教授の追加報告の中で、先発薬の特許を先延ばしする条項が米国提案として出され、それによって後発薬の普及が遅れる可能性があることが指摘されました。国の仕組みを根本から変えてしまうTPPには、米国議会でも異論が相次いでおり、そうした動きと協調して日本でも反対を訴えていこうと呼びかけがありました。
午後の部では、厚労省が現在、定期接種を見送っている『子宮頸がん予防』ワクチンについての報告がありました。江戸川大教授でジャーナリストでもある隈本邦彦氏よりワクチンの正しい情報が国民に伝わっていないことへの問題提起、金沢大附属病院産婦人科の打出喜義医師より医学的知見にもとづいたワクチンの有効性や製薬会社の利益相反について問題提起がされました。
どの報告も聞くほどに深刻さを増し、まったく楽観できない話でした。薬で儲けようとする勢力はかくも大きく強大なものであることを改めて実感すると同時に、一人ひとりが自分の命を防衛するために、あらゆる情報の収集に努めて判断できるほどの知見を備える必要を感じた一日でした。