2014年9月19日金曜日

第7回YMP事務学習会―重度心身障害者の医療費



 918日に、ワイエムピーで第7回事務学習会を行いました。
 事務職員17名が参加しました。

原水禁の報告



 学習会に入る前に、今年8月の原水禁世界大会に薬局部門代表で参加した石田さんから報告を聞きました。




 今回の学習のテーマは、「重度心身障害者の医療費助成制度変更について」と題して、あすなろ甲府薬局の樋口主任が講師でした。

講師の樋口主任
 これまで重度心身障害者の医療費について、山梨県には“窓口無料”という優れた助成制度がありました。しかし、「窓口無料は不必要な受診が増える」という国の言い分に屈して、山梨県は「窓口無料をしているために、国が負担すべき国保料が減額されている。県の財政で補填している今の状況をやめたい」として、今年11月からは医療機関の窓口で支払手続を求めることにしています。

 県は、「自動還付方式」として、窓口で支払った金額が3か月後には指定の個人口座に全額還付されることで理解を得るつもりのようですが、受診のたびに会計に並ばなければならない本人や保護者の労力、そして制度変更に対応する医療機関や行政機関のコストなどについては十分な検討がされていない現実があります。


制度変更の弊害を実感
 この学習会で、当事者の方の不安に思いを至らせるとともに、事務手続きの煩雑さに対しても具体的な懸念が見えてきたと感じました。

 今後予想される様々な混乱に気が重くなりますが、このように福祉を後退させる目論みには、薬局全体を挙げて抵抗していかなければならないと感じた学習会でした。

2014年9月4日木曜日

平和のつどい―第8期平和学校卒業発表

平和学校のメンバー


 山梨民医連・平和のつどいの第二部では、第8期平和学校受講生の卒業発表がありました。1年間の平和学習やフィールドワークを通して学び考えたことについて、あすなろ石和薬局の安藤君が発表しました。



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【発表の抜粋】

FWを終えて

 1月に東京・横須賀、3月に沖縄のフィールドワークに参加し、様々なことを学んで来ました。東京の靖国ではたびたび首相の参拝が取りざたされていて、なぜ参拝が問題視されるのか、靖国にはどのような人たちが眠っているのかといった基本的なことから灯篭の由来、靖国の存在にいたるまで学び改めて過去の戦争の恐ろしさ、悲惨さを理解しました。

横田、厚木、横須賀の米軍基地を見た際には広大な敷地に様々な娯楽施設、教育機関、米軍関係者が平穏無事に過ごせる環境づくりがされる一方、近隣住民に対しては訓練飛行の騒音や身勝手な土地整備による多大な被害など、苦しい生活を強いている現状がありました。基地の維持費を税金で賄うなど眼に余る行いばかりです。

 沖縄においては全国飛来が予定されるオスプレイ、戦闘機による騒音、米軍による婦女暴行事件など多くの問題を抱える中で、今もって米軍の存在は脅威といえるでしょう。仲井真知事による辺野古埋め立ての承認と、米軍の恩恵を受けようとするその姿勢に、私たちは断固拒否していき、美しい環境を持つ沖縄を守っていかなければならないと感じました。

〇これからの日本

 最近では特定秘密保護法により、国民の知らないところで情報操作がなされる恐怖や集団的自衛権行使容認により、日本が戦争に巻き込まれる危険性が出ていることなど政府は目先のことや営利的とも思える強行をするばかりで国民に十分な説明なく法案を通し、一党独裁のような体をなしている現状です。

 そして東京、沖縄のフィールドワークで感じたのは、私たち国民がどれだけ理解し、意見・考察をもっているかということです。基地の維持に関わる費用の税金負担であるとか、沖縄高江ヘリパッドでは反対する住民に対して訴訟を起こすも、訴訟対象に子供も含まれていたなどずさんなものだったこと、米兵による跡を絶たない暴行・殺人に対する不十分な謝罪など、知らないことが多くありました。

一般的に享受する情報として、新聞・テレビ・ネットなどのマスメディアによる偏った理解よりも、実際にその土地に赴き、体験者・現在も闘っている方々の生の情報を取り入れていくことの方がより重要と考えます。また、米軍基地に働く住民の生活、米軍関連の観光資源の存在など、相対する意見も様々取り入れ、総合した意見とし、政府見解・個人見解との齟齬を見つけ、意見提示していくことが必要だと思います。

〇これからの私たち

 若者の~離れが懸念される昨今ですが、政治離れもそのひとつでしょう。今の若者は世情・政治などに無関心です。政治に関心を寄せるだけ無駄と考えてしまうからです。今の20代くらいの若者は、生まれた頃から景気は下火で、不景気が当然とした世代なので、失敗を恐れて大きな変化を拒み、何事に対しても予定調和を貫き、平穏さを求めます。政治に対しても同じで、政治に触れたところで変化はなく、今の生活に劇的な変化をもたらしてくれるなどと期待はしません。なのでただ静観し、今の生活を優先します。

また、現在は情報社会で手に収まる情報で満足するのが若者であり、そこで完結することは、情報の広がりや共有もなく、世界は狭いままだと思います。そうした現状を踏まえ、前述の通り受け手としてただ情報を得るのではなく、現地に行き肌で感じ、人と対面して情報を得ていくことが大切だと思います。そこに若者の得意とするSNSなどの活用でさらに飛躍していけるものと考えます。

(あすなろ石和薬局 事務 安藤)

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平和のつどい―原水禁世界大会の報告

遠藤事務局長のあいさつ
代表団からそれぞれに報告

 830日に山梨民医連の平和のつどいが開催されました。
 第一部では、原水爆禁止2014年世界大会に山梨から派遣された代表団から報告がありました。薬局部門からは、あすなろ甲府薬局の石田さんが参加しました。

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【報告】原水禁世界大会に参加して

 今回、原水爆禁止世界大会に初めて参加させて頂きました。日本全国、そして海外からも多くの人が参加していて、反核平和へのそれぞれの思いを聞くことができました。実際に被ばくを経験した方が、「自分はこの世の中から核兵器がなくなるまで死ぬことはできない」と言った言葉がとても印象に残っています。実際に経験したからこそ、核兵器の恐ろしさを誰よりもわかっているのだろうし、核兵器が世の中からなくなるのを見届けたいという熱い思いがあるのだと感じました。

平和の取り組みが全国で展開
 ある人は「戦争をする国は、その国のため、国民の平和を守るために戦争をすると言いますが、戦争をしてその国の人々が幸せになることは絶対にない」と発言していて、本当にその通りだなと思いました。日本でも最近、集団的自衛権の行使容認が閣議決定されましたが、少しずつ、戦争ができる国になる体制に変わっていくようで、とても怖く感じました。広島や長崎といった戦争によって多くの人が命を失い、多くの人が悲しんだ現実があるのに、どうしてこういうことができるのか、とても疑問に思いました。

 二日目に行われた分科会では「反核平和の文化」という会に参加して来ました。ここでは反核平和というものに関して、歌を歌う人や、楽器を弾く人、また普段は演劇をやっていますといった人たちが集まっていました。実際に会場でパフォーマンスをしてくれた方もいました。歌や楽器を披露してくれた方の中には若い人も大勢いて、本当に多くの人が様々な表現で反核平和を訴えているのだなと感じました。

山梨民医連代表団と原爆ドーム
 現在、実際に被ばくをした人の平均年齢が79歳くらいになるそうです。これからは被爆者の実体験を聞く機会もどんどん減っていくので、今後どうやって今の若い世代の人たちに核兵器の恐ろしさや広島でのできごとを伝えていくか模索しているという話も聞きました。このような中で、若い世代の人たちがそれぞれの表現の仕方で、反核平和を訴えていくことはとても大切なことだと思いました。

 三日間だけでしたが、広島で起こったできごとを学び、平和の大切さを改めて実感することができてよかったです。

(あすなろ甲府薬局 事務 石田)

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2014年9月3日水曜日

広島・土砂災害 復旧支援活動報告



 820日に発生した広島市の豪雨・土砂災害を受けて、全日本民医連の呼びかけにより、83031日の2日間、支援ボランティアが全国の民医連から、安佐南区にある広島共立病院に集結しました。山梨からは、医学生担当者と薬学生担当者の2名が派遣されました。

全国から500人以上

参加したボランティアは、「泥出し」と「全戸訪問」のグループに大きく分かれ、山梨は「全戸訪問」グループに入りました。安佐南区緑井の一角を訪問し、被害状況や健康不安について聞き取りを行いました。私たちが担当した地域は、幸い、それほど大きな被害はありませんでした。
 
しかし山側へ向かうと、床下浸水の被害に遭われているお宅が多くありました。乾燥してホコリが舞い上がり、土砂のドブ臭いにおいで気が滅入りましたが、少しでも力になりたいという思いで、敷地内の泥をかきだす作業を手伝いました。
みんなで泥出し作業
泥出し後に石灰で消毒

被害が広範囲に渡っているため、復旧するにはまだまだ多くの時間を要することが伺えました。多くの民医連職員や組合員さんに励まされながら、2日間を終えました。

土砂で潰れた家々

農業ハウスも土砂の中

行きと帰りの電車の中で、同じくボランティアと思われる人の姿を見かけ、民医連の団結力もさることながら、多くの市民ボランティアや消防隊、自衛隊、警察などの連日の活動が被災者の心の支えになっていることを思い、人の優しさに胸が熱くなるのでした。

 今週も、山梨民医連から1名が、広島共立病院へ派遣される予定です。微力ながらも、切れ目のない支援を継続していきたいと思います。


(報告者 石川)